魚に羽根が

翼のある魚の絵

熱帯魚の思い出話

実家がまだそこまで貧乏ではないころ、親が熱帯魚を飼っていた
まだバブルの名残がある時代で、見栄で飼い始めたのだろう

私が小学生になる前には、熱帯魚の世話担当は私になった。餌やりと足し水と簡単な掃除、毎日の水槽の照明のONOFFぐらいの世話だったけど
うちの水槽はネオンテトラとかコリドラスが中心だった

徐々に父親の散財(パチンコ)でお金がないという話が出始め、熱帯魚の飼育をやめたいと母が言い出したのは、私が小学2~3年ぐらいのときだ
今いる魚が死んじゃうまでは待ってほしいと訴えて、新しい熱帯魚を追加することなく、コリドラスが2匹になったころ

私が小学校から帰ると水槽が撤去され、底砂もエアーもないプラケースにコリドラスが入れられていた

母を問い詰めると、水槽の維持費がかかるし、部屋が湿気るから、このまま死ぬのを待つと言う
私は泣きながら、近所の保育園に行って熱帯魚をもらってくれないか頼んだが、今はもう熱帯魚は飼っていないと断られた
ものすごい田舎なので、他に熱帯魚を飼っている心当たりはない
ペットショップも車で1時間はかかる距離で、電車も通っていない町から行くすべはなかった

熱帯魚を心配しながら翌日学校に行き、熱帯魚が心配で急いで帰宅するとプラケースごとなくなっていた

母曰く、もらってくれる人がいたそうだ
当時の私は素直に安堵したけど、
実際は死んだか、捨てたかしたのかな