魚に羽根が

翼のある魚の絵

ブラック企業に就職した父が600万の借金を背負わされた話 後編

 この記事の続きです

 

rikoriko.hatenablog.com

 

話は前後するが、父の会社の社長は父の失踪後に実家までわざわざ来ていた

父に自殺までされると、向こうも困るのであろう

そのときは、無事見つかって欲しい、心配だ、というような普通のことだけ言っていたようだ


父が発見された後も、社長は実家に来て今後のことを話し合ったらしい


母からの又聞きなのでよくわからんが

父は所長ではなく平社員に降格、実家にある不良在庫の棚卸しをして、総額が幾らになるのか計算しておくように

とのことで父はしばらく実家で棚卸しをするらしい


根拠は不明だが、五十万か三十万ぐらいは払うことになるのかも…と母は言っていた



後日母に会うと、毎月5万円10年払いで600万を会社に支払うことになったという


父がひたすら自分が悪いから全額弁償すると会社に言ったらしい

棚卸ししたら600万円分の商品だったというのだが、その額は会社の仕入れ値での計算なのか、小売店に卸す卸値計算なのか、それすら母は知らない(つーか何も考えてない)ので、話にならない

父は

自分の給料から引かれるだけだから、お前(母)には関係ない!と払う気満々で

社長はあからさまにその筋の人という訳ではないのだが、なんか凄みがあって恐い、ということで母に交渉は無理であった



棚卸しリストを見せてもらったが、単価はだいたい3桁で千円を越えるものはほとんどないが、一つの商品の数が多く、商品数自体も多い

商品名で書かれているため、クッキーなのか、煎餅なのか、饅頭なのかもよくわからない

それらがびっしりと印刷されたものが、そこそこの枚数ホッチキスで留められていた


そのリストをもう一度計算し直したり、仔細にチェックする気にはどうしてもなれなくて、パラ見しかしてない…

数字苦手だし…

今思うと私もかなりいい加減だが、当時いろいろ無理だった



とりあえず父と母だけに任せるわけにもいかないので、妊娠中だけど労働基準監督所に母の付き添いで行くことに


まず棚卸しリストと、父が直筆で書いた600万の借用書のコピー、父の今までの給与明細などをお見せして、ことの経緯を説明する


労働基準監督所の職員さん曰く、

確かに600万は法外、会社の金を着服したり、不当に利益を得ていたわけでもないし、減額は充分可能

しかしそのためには父本人の訴えが必要であり、妻や娘では手続きができないこと

手書きの借用書も、自分が全面的に悪いから全額600万(端数は忘れた)を、給料引きで月々5万円ずつ支払うというようなことを堅い文面で書いてあり、父の署名捺印もあり、法的に不備のない借用書であること

ちなみに会社に渡した借用書原本は母が連帯保証人ということになっている(父が母のサインを偽造)


本人が来ないことにはどうにもなりませんね

ということだった



ここで父が何故全額支払うことにこだわるのか、理解できない方がほとんどだろう

私も父のことをあまり理解できているとは思えないが、とりあえず解説すると

父はただ怒られたくないのである

これに尽きる

そのための家族の犠牲などは屁でもないし、どうせ母に管理されて自分の自由にできない給料がどれだけ目減りしようが、何の実感もない

おそらくサイコパスである父は、計画性というものが完全に欠落しており、老後のことや貯金のことも何一つ考えていない、考える能力がないのであろう

今まで本気で金に困ったことがないのも一つの要因かな 

追記すると、不良在庫を報告できずに持ち帰っていたのも怒られたくないからだし、

失踪したのも怒られたくないから、

自殺未遂(笑)でも自己申告すれば、周囲は気を遣うし、同情だってされる

ものすごい広範囲に大迷惑をかけている動機が、全て怒られたくないからで説明できるのだ



相談にのってくれた職員さんは、

この年齢での就職(五十過ぎ未経験)でこの給料はよいほうであり(5万円引かれたとしても)、もしこの会社を辞めて他の就職先を探しても、同じような収入が得られる可能性は低い

割りきって考えてみては?

勿論、ご本人が直接相談に来られるなら、こちらも対応しますので、お父様の説得も続けてみてください

と、おっしゃっていました




現在3年ほど支払いを続けており、もう充分だと思うのだが、父は定年まで払うのであろう


600万あれば大学にいけるなー

孫に遺してやろうとか一切思わないんだろうなー

と思いながら、諦めています


弁護士に相談したり、裁判を起こしたりすればどうにかなるのかもしれませんが、私はしんどいです

こちらで勝手に対応すると父がどのように発狂するのか予測できないし


何かよいお知恵があれば貸してください